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建設業許可取得のための7つの要件を行政書士が解説!

目次

はじめに

建設業許可を取得するためには、いくつかの厳格な要件を満たす必要があります。これらの要件は、事業者が法令を遵守し、安定した経営基盤を持ち、適切に事業を運営できることを確認するために設けられています。ここでは、建設業許可取得に必要な7つの要件について詳しく解説します。

建設業許可取得の7つの要件

建設業許可を取得するには以下の7つの要件を全てクリアする必要があります。

  • 経営業務の管理責任者
  • 専任技術者の設置
  • 財産的基礎要件
  • 誠実性
  • 欠格要件
  • 営業所
  • 適切な社会保険の加入

経営業務の管理責任者とは?

経営業務の管理責任者(経管)とは、会社が安定して経営できるように経営体制を整え、営業取引上の対外的な責任を負う役割を担っています。 経営判断を伴う業務であり、個人事業主の場合は事業主本人が、法人の場合は常勤取締役(株式会社)業務執行社員(合同会社)が就任するのが一般的です
また経営業務の管理責任者は常勤で、法人では役員でなければなりません。

経営業務の管理責任者とは以下の者をいいます。

  • 1.建設業に関し、5年以上取締役、執行役、組合理事等としての経験を有する者
  • 2.建設業に関し、5年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位、(執行役員等)にあり、経営業務を管理する経験を有する者
  • 3.建設業許可申請において、6年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として、管理責任者を補助する経験を持つ者
  • 4.建設業に関し、2年以上役員としての経験があり、かつ5年以上役員または役員に次ぐ地位(財務・労務・業務運営に限る)にある経験がある者
  • 5.5年以上役員としての経験を有し、かつ建設業に関し2年以上役員としての経験を有する者

  3.常勤役員等とは?

常勤役員とは、日々の業務や責任などが指示命令系統によって明確になっている役職です。 会社から与えられた役割や仕事をこなしていきます。 また、常勤役員は会社が稼働している日に出勤するのが基本です。 業務や責任こそ違いますが、正社員と同じような特徴を持っています。

4.経営業務の管理責任者の証明方法

  • 常勤していることの証明書類
    健康保険被保険証の写し法人税確定申告書の役員報酬明細
  • 役職名と経験年数の証明書類
    法人であれば登記簿謄本、個人事業主であれば直近の確定申告書5年分になります。

専任技術者とは?

専任技術者とは、工事の請負契約を適切な内容で結び、その工事を契約通りに実行するための役割を担う技術者のことです。 具体的な業務内容は、見積もりの作成や契約の締結関連手続き、注文者とのやりとりなど。 営業所に常駐する必要があるため、工事現場に出ることはないのが基本です。

専任技術者になる要件は?

一般建設業の専任技術者の要件

  • 定められた国家資格を持っている
  • 指定学科を卒業しており、学歴に応じた実務経験がある
  • 10年以上の実務経験がある

専任技術者の証明方法

国家資格をお持ちの方であれば合格証と運転免許証で証明するのが一般的です。
10年の実務経験で証明していく場合は工事契約書10年分や請求書+入金が確認できる物(通帳など)で証明していきます。指定学科を卒業している方は卒業証書+3〜5年分の工事契約書10年分や請求書+入金が確認できる物(通帳など)が必要になってきます。
10年分の契約書や請求書を用意するのは非常に大変で時間もかかりますのでおすすめは指定の国家資格に合格するの良いです。

財産的基礎要件とは?

財産的基礎とは「建設業者が事業を継続するための財務力」のことです。 建設工事をするにあたっては、資材の購入や、労働者の確保、機械器具等の購入など、一定の準備資金が必要になります。 また、営業活動を行うにも、資金が必要です。

財産的基礎の証明方法

  1. 自己資本が500万円以上あること
  2. 500万円以上の資金調達能力があること
  3. 直前5年間建設業許可を受けて継続して営業した実績があること

上記のいずれかを満たしていれば問題ありません。
一つ目の自己資本が500万円以上あることは直近の貸借対照表の純資産が500万円以上あればクリアできます。
500万円以上の資金調達能力があることは銀行の残高証明書を提出するのが基本です。
残高証明証は取得から1ヶ月以内の物を提出しないと効果がありませんので注意が必要です。
私の経験上、ここまでの3つの要件をクリアできると建設業許可取得の可能性はグッと上がります!

誠実性とは?

建設業許可取得には誠実性も必要になってきます。【誠実性って何だろう?】と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。ここでいう「誠実性」を有するとは、許可申請を行うものが請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれがないことです。
具体的には以下のような内容になります。

  • 「不正な行為」とは、請負契約の締結または履行の際、詐欺や脅迫、横領などの違法な行為。
  • 「不誠実な行為」とは、工事内容や工期、、天災などの不可抗力による損害の負担などについて請負契約に違反する行為。
  • 申請者が、建築士法、宅地建物取引業法で不正または不誠実な行為を行ったために免許などの取消処分を受けて5年未経過の場合。

誰が対象か?

  • 申請を行う法人
  • その法人の役員
  • 令3条使用人
  • 個人事業主
  • 個人事業主の支配人
  • 2~4が未成年者の場合は、その法定代理人
  • 法定代理人が法人の場合はその役員

上記の者が対象者です。

欠格要件とは?

欠格要件(建設業法第8条、同法第17条(準用))

 許可申請書またはその添付書類中に虚偽の記載があった場合や重要な事実に関する記載が欠けている場合、また、許可申請者やその役員等若しくは令第3条に規定する使用人が次に掲げるものに1つでも該当する場合、許可は行われません。

*国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次の[1]から[14]のいずれか(許可の更新を受けようとする者にあっては、[1]又は[7]から[14]までのいずれか)に該当するとき、又は許可申請書若しくはその添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、許可をしてはならないと建設業法で規定されています。

[1]破産者で復権を得ないもの

[2]第29条第1項第7号又は第8号に該当することにより一般建設業の許可又は特定建設業の許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者

[3]第29条第1項第7号又は第8号に該当するとして一般建設業の許可又は特定建設業の許可の取消しの処分に係る行政手続法第15条の規定による通知があった日から当該処分があった日又は処分をしないことの決定があった日までの間に第12条第5号に該当する旨の同条の規定による届出をした者で当該届出の日から5年を経過しないもの

[4]前号に規定する期間内に第12条第5号に該当する旨の同条の規定による届出があった場合において、前号の通知の日前60日以内に当該届出に係る法人の役員等若しくは政令で定める使用人であった者又は当該届出に係る個人の政令で定める使用人であった者で、当該届出の日から5年を経過しないもの

[5]第28条第3項又は第5項の規定により営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者

[6]許可を受けようとする建設業について第29条の4の規定により営業を禁止され、その禁止の期間が経過しない者

[7]禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

[8]この法律、建設工事の施工若しくは建設工事に従事する労働者の使用に関する法令の規定で政令で定めるもの若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定(同法第32条の3第7項及び第32条の11第1項の規定を除く。)に違反したことにより、又は刑法第204条、第206条、第208条、第208条の3、第222条若しくは第247条の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

[9]暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者([14]において「暴力団員等」という。)

[10]精神の機能の障害により建設業を適正に営むに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者

[11]営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が前各号又は次号(法人でその役員等のうちに[1]から[4]まで又は[6]から[10]までのいずれかに該当する者のあるものにかかる部分に限る)のいずれかに該当するもの

[12]法人でその役員等又は政令で定める使用人のうちに、[1]から[4]まで又は[6]から[10]までのいずれかに該当する者([2]に該当する者についてはその者が第29条第1項の規定により許可を取り消される以前から、[3]又は[4]に該当する者についてはその者が第12条第5号に該当する旨の同条の規定による届出がされる以前から、[6]に該当する者についてはその者が第29条の4の規定により営業を禁止される以前から、建設業者である当該法人の役員等又は政令で定める使用人であった者を除く。)のあるもの

[13]個人で政令で定める使用人のうちに、[1]から[4]まで又は[6]から[10]までのいずれかに該当する者([2]に該当する者についてはその者が第29条第1項の規定により許可を取り消される以前から、[3]又は[4]に該当する者についてはその者が第12条第5号に該当する旨の同条の規定による届出がされる以前から、[6]に該当する者についてはその者が第29条の4の規定により営業を禁止される以前から、建設業者である当該個人の政令で定める使用人であった者を除く。)のあるもの

[14]暴力団員等がその事業活動を支配する者

※ここでいう役員等とは、以下の者が該当します。

 ・株式会社又は有限会社の取締役

 ・指名委員会等設置会社の執行役

 ・持分会社の業務を執行する社員

 ・法人格のある各種の組合等の理事等

 ・その他、相談役、顧問、株主等、法人に対し業務を執行する社員(取締役、執行役若しくは法人格のある各種の組合等の理事等)と同等以上の支配力を有するものと認められる者か否かを個別に判断される者

営業所とは?

建設業許可の営業所とは、建設業の許可を受けて業務を行うための拠点を指します。営業所は、許可を受ける際に重要な要件となり、その設置にはいくつかの条件が必要です。以下に、営業所に関する主な要件を見ていきましょう。

営業所の要件

  1. 専任技術者の配置
  • 各営業所には専任の技術者が必要です。この技術者は、建設業の実務経験や資格を持っていることが求められます。

2.常時連絡が取れる環境

  • 営業所は、常に連絡が取れる環境であることが求められます。具体的には、固定電話やFAXが設置されていることが必要です。

3.業務遂行のための設備

  • 業務を適切に遂行するための設備が整っていること。例えば、デスク、椅子、書類棚などの事務用品が揃っていることが望まれます。

4.看板の設置

  • 営業所であることを示す看板の設置が必要です。これにより、外部からも営業所として認識されることが求められます。

5.独立性の確保

  • 営業所は他の事業所や居住スペースと明確に区別されていることが必要です。例えば、間仕切りなどで独立した空間が確保されていることが求められます。

6.法定帳簿の備え付け

  • 建設業法で定められた帳簿類(施工台帳、契約書類など)を備えていることが必要です。

営業所の種類

営業所には本店と支店があり、いずれも上述の要件を満たす必要があります。また、支店についても専任技術者の配置などの要件が必要です。

これらの要件を満たすことで、建設業許可の取得や更新がスムーズに進むことが期待されます。営業所の設置や運営についてさらに詳細なアドバイスが必要であれば、行政書士や専門家に相談することをおすすめします。

適切な社会保険の加入とは?

建設業許可を取得するためには、適切な社会保険への加入が必要です。社会保険には健康保険、厚生年金保険、労働保険(労災保険と雇用保険)の3つが含まれます。以下に、それぞれの詳細を説明します。

健康保険と厚生年金保険

  1. 健康保険:
  • 企業が従業員に対して提供する医療保険です。従業員が病気やけがをした際に、医療費の一部を保険でカバーします。

2.厚生年金保険:

  • 企業が従業員に対して提供する年金保険です。従業員が退職後に受け取る年金の基礎となります。

加入義務:

  • 常時1名以上の従業員がいる法人および個人事業主は、これらの保険に加入する義務があります。
  • 従業員数に関わらず、法人であれば必ず加入が必要です。

労働保険(労災保険と雇用保険)

  1. 労災保険:
  • 従業員が業務中に事故や病気で被害を受けた場合に給付を行う保険です。全ての事業所に加入義務があります。

2.雇用保険:

  • 従業員が失業した場合や育児・介護休業を取得した場合に給付を行う保険です。一定の要件を満たす従業員がいる事業所は加入義務があります。

加入義務:

  • 労災保険は従業員を1名でも雇用する全ての事業所に加入義務があります。
  • 雇用保険は、1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがある従業員がいる場合に加入義務があります。

建設業許可における社会保険の要件

建設業許可を取得・更新する際には、これらの社会保険に適切に加入していることが確認されます。不適切な加入状態では、許可の取得や更新が認められない場合があります。

確認事項:

  • 保険証の写しや、保険料の納付証明書などの提出が求められることがあります。
  • 社会保険の加入状況は、審査の重要なポイントとなるため、正確な加入が必要です。

適切な社会保険への加入は、従業員の福利厚生を確保し、企業の信頼性を高める重要な要素です。具体的な手続きや詳細については、社会保険労務士や専門の行政書士に相談することをおすすめします。

下記の動画で建設業許可取得の要件について解説していますのでよければご覧ください。

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いかがでしたでしょうか?許可を取得するのは決して簡単ではありませんが、しっかりと準備をして要件をクリアできれば誰でも取得可能です。弊所ではお客様が建設業許可が取れるよう最大限サポートいたします。他の事務所で許可が取れないと言われても、【弊所では別の方法がないか?】、【別の角度から申請できないか?】お客様が許可が取れるまで諦めません!安心してお任せください。まずはお気軽にお問合せください!一緒に許可取得に向けて頑張りましょう!!

河西将弥
行政書士
東京の福生市で行政書士として開業中。同時に3期目の不動産会社を経営中。建設業専門行政書士として、建設業者様を事務所探しから許可取得後の継続フォローまでトータルでサポート。その他決算変更届や更新など建設業のことなら何でもお任せください。また、産業廃棄物収集運搬業許可新規や融資もサポートしています。
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