ほ装工事業で建設業許可を取得したい方へ！行政書士が解説します！

2024年8月17日

はじめに

舗装工事業は、道路や駐車場、空港の滑走路など、さまざまな場所でアスファルトやコンクリートを使用して地面を舗装する工事を行う業種です。舗装は、交通の安全性や快適性を確保するために不可欠な要素であり、インフラ整備の重要な一環です。本記事では、舗装工事業の概要やその工事の流れ、専任技術者に必要な資格について解説します。また、資格の取得がどのように実務に役立つのかについても触れていきます。

舗装工事業の概要

舗装工事業とは、道路や駐車場、歩道、空港の滑走路などを舗装する工事を行う業種です。舗装工事は、アスファルトやコンクリートなどの材料を用いて行われ、交通の安全性、快適性、耐久性を向上させるために非常に重要な役割を果たします。また、舗装の質が交通事故の防止や車両の燃費向上にも影響を与えるため、正確で高品質な施工が求められます。

舗装工事の種類

舗装工事には主に以下の種類があります。

アスファルト舗装: 最も一般的な舗装工事で、道路や駐車場、歩道に広く使用されます。柔軟性があり、車両の荷重を適度に分散させる特徴があります。
コンクリート舗装: 耐久性に優れており、重交通の道路や空港の滑走路などで使用されます。硬度が高く、耐久年数が長いのが特徴です。
透水性舗装: 雨水を地面に浸透させることができる舗装で、都市部の排水能力を向上させ、洪水や水害のリスクを軽減します。
カラー舗装: 視認性を高めるために色を付けた舗装で、歩行者用の歩道や自転車専用道路などに使用されます。

舗装工事に使用される材料

舗装工事で使用される主な材料は以下の通りです。

アスファルト混合物: アスファルトと砂、砂利などを混ぜ合わせたもので、道路や駐車場の舗装に使用されます。温度による変形が少なく、柔軟性があります。
コンクリート: セメント、水、砂、砂利を混ぜて作られる硬化材料で、主に高強度が求められる舗装に使用されます。
透水性アスファルト: 透水性のあるアスファルトで、雨水を地中に浸透させる機能を持ちます。都市部の舗装に適しています。
路盤材: 路面の下に敷かれる材料で、舗装の基礎を形成し、荷重を支える役割を果たします。

舗装工事の流れ

舗装工事は、以下の流れで進められます。

1. 現地調査と見積もり

工事の第一歩は現地調査です。現地調査では、施工現場の地形や環境、交通量などを詳細に調査します。その情報を基に、どのような舗装が最適かを判断し、必要な材料や工法を決定します。これに基づいて、工事にかかる費用の見積もりを作成し、クライアントに提出します。

2. 工事の準備

見積もりが承認されると、次に工事の準備が行われます。これには、材料の調達や、作業スケジュールの作成、現場の安全対策の計画が含まれます。舗装工事では、特に天候や温度条件が工事の進行に影響を与えるため、これらの要因を考慮した準備が求められます。

3. 工事の実施

工事が開始されると、まず路盤の整備が行われます。その後、アスファルトやコンクリートの混合物を敷き、転圧機などを使って均一に仕上げます。この段階では、施工管理者が現場を監督し、品質と安全性を確保します。また、舗装の厚さや勾配が設計図通りであることを確認しながら進めます。

4. 完成検査と引き渡し

工事が完了すると、完成検査が行われます。検査では、舗装が設計図通りに施工されているか、安全基準を満たしているかが確認されます。必要に応じて修正が行われ、最終的に工事が完了した後、クライアントに引き渡されます。

専任技術者に必要な資格

舗装工事業では、現場の管理や施工を行うために専任技術者の存在が不可欠です。専任技術者には以下のような資格が求められます。

資格名	備考
建設機械施工技士 1級	大規模な建設機械の運用・管理を行うことができる資格
建設機械施工技士 2級	中小規模の建設機械の運用・管理を行うことができる資格
土木施工管理技士 1級	大規模な土木工事の施工管理を行うことができる資格
土木施工管理技士 2級	中小規模の土木工事の施工管理を行うことができる資格
技術士	技術全般に関する高度な専門知識と管理能力を持つ国家資格

これらの資格を持つ技術者が現場にいることで、舗装工事は安全かつ高品質に進められます。

舗装工事業の実務と資格の活かし方

舗装工事業において、専任技術者の資格は実務で非常に重要です。例えば、建設機械施工技士や土木施工管理技士は、舗装工事を効率的かつ安全に進めるための運用・管理に必要です。技術士は、技術全般にわたる高度な専門知識を持ち、複雑なプロジェクトの計画・管理にも対応できるため、大規模な舗装プロジェクトでのリーダーシップを発揮します。

資格取得のメリット

舗装工事業で資格を取得することには、以下のようなメリットがあります。

キャリアの向上: 高度な資格を持つことで、プロジェクトリーダーや管理職への昇進が可能になります。
信頼性の向上: 資格を持つ技術者は、クライアントや上司からの信頼を得やすくなり、仕事の受注や評価にも良い影響を与えます。
報酬の増加: 資格を取得することで、給与や報酬が増加する可能性があります。特に大規模プロジェクトに携わる場合、報酬が大きくなることが期待できます。さらに、資格取得により、プロジェクトにおける重要な役割を担うことで、責任範囲が広がり、キャリアパスも多様化します。例えば、リーダーシップを発揮してプロジェクト全体を統括するポジションに就くことも可能です。

資格取得のステップ

資格取得にはいくつかのステップがあります。まず、対象となる資格の要件を確認し、必要な実務経験を積むことが重要です。次に、試験の準備を行い、必要な知識や技術を身につけます。例えば、土木施工管理技士や建設機械施工技士の資格取得には、土木工事や機械運用に関する深い知識と実務経験が必要です。試験合格後、資格を取得することで、正式に専任技術者としての業務を行うことが可能となります。

資格取得後のキャリアパス

資格取得後のキャリアパスは非常に多様です。以下にいくつかのキャリアパスの例を紹介します。

プロジェクトマネージャー
高度な資格を持つ技術者は、プロジェクトマネージャーとしてのキャリアを築くことができます。プロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体の計画、予算管理、スケジュール管理、品質管理、安全管理などを担当し、プロジェクトの成功を目指します。特に大規模な舗装プロジェクトでは、マネージャーの役割が重要です。
専門技術者・コンサルタント
資格を活かして、舗装工事に特化した専門技術者やコンサルタントとして活動することも可能です。舗装材の選定や施工方法の最適化、プロジェクトの技術的な課題に対する助言など、専門的な知識を提供することができます。
教育・研修の指導者
取得した資格と実務経験を活かして、次世代の技術者を育成する教育・研修分野に進むことも一つの選択肢です。企業内の研修プログラムでの指導や、専門学校や大学での講師としてのキャリアを築くことができます。これにより、業界全体の技術水準を向上させる役割を担います。
経営者・独立開業
豊富な経験と資格を持つ技術者は、独立して自らの会社を設立し、経営者としての道を歩むこともできます。舗装工事に特化した建設会社を設立し、これまでの知識と経験を最大限に活かして事業を展開することが可能です。特に、施工管理や品質管理に強みを持つ会社を運営することで、安定した需要が見込めます。