板金工事業で建設業許可を取得したい方へ！行政書士が解説します！

2024年8月17日

はじめに

板金工事業は、金属板を用いて建物の屋根や外壁、内装などを施工する工事を行う業種です。板金工事は、住宅や商業施設、工場などさまざまな建物において重要な役割を果たし、耐久性や美観の向上に寄与します。この記事では、板金工事業の概要やその工事の流れ、専任技術者に必要な資格について解説します。また、資格の取得がどのように実務に役立つのかについても触れていきます。

板金工事業の概要

板金工事業とは、金属板（板金）を加工して建物の屋根、外壁、内装、さらには雨どいや樋などの建材を施工する工事を行う業種です。板金は耐久性が高く、耐候性や防水性にも優れているため、建物の外装を保護し、長寿命化に貢献します。板金工事は、金属を扱う高度な技術が必要とされ、また設計図に基づく精密な作業が求められます。

板金工事の種類

板金工事には主に以下の種類があります。

屋根板金工事: 金属板を使用して屋根を覆う工事で、耐久性や防水性を確保します。一般住宅から工場、倉庫まで幅広く適用されます。
外壁板金工事: 金属板を外壁に取り付ける工事で、防水性を高めるとともに建物の外観を美しく整えます。
内装板金工事: 建物内部の装飾や保護のために金属板を使用する工事です。キッチンやエレベーターホールなどで多く見られます。
雨樋・樋工事: 雨水を適切に排出するための雨樋や樋を取り付ける工事です。金属製の樋は耐久性があり、長期にわたり建物を保護します。

板金工事に使用される材料

板金工事で使用される主な材料は以下の通りです。

ガルバリウム鋼板: アルミニウム・亜鉛合金メッキ鋼板で、耐食性が高く、屋根や外壁に広く使用されます。
ステンレス鋼板: 耐食性に優れ、特に高い耐久性が求められる場所で使用されます。住宅の外装やキッチンなどでよく見られます。
銅板: 柔軟性と加工性に優れ、美観を保ちやすい素材として使用されます。歴史的建造物や高級住宅などで採用されることが多いです。
アルミニウム板: 軽量で耐食性があり、加工しやすい材料です。外壁や屋根、さらには雨樋などに使用されます。

板金工事の流れ

板金工事は、以下の流れで進められます。

1. 現地調査と見積もり

工事の第一歩は現地調査です。現地調査では、建物の構造や既存の屋根・外壁の状態を確認し、必要な板金工事の範囲を決定します。その情報を基に、使用する材料や工法を決定し、見積もりを作成します。

2. 工事の準備

見積もりが承認されると、次に工事の準備が行われます。材料の調達、作業スケジュールの作成、現場の安全対策の計画が含まれます。また、施工箇所の清掃や下地処理もこの段階で行われます。

3. 工事の実施

工事が開始されると、まず金属板の加工が行われ、その後、屋根や外壁、内装、雨樋などに取り付けていきます。この段階では、設計図に従って正確に施工が行われ、現場監督者が品質と安全性を確保します。

4. 完成検査と引き渡し

工事が完了すると、完成検査が行われます。設計図通りに施工が行われているか、使用した材料が適切であるか、また、安全基準を満たしているかが確認されます。必要に応じて修正が行われ、最終的にクライアントに引き渡されます。

専任技術者に必要な資格

板金工事業では、現場の管理や施工を行うために専任技術者の存在が不可欠です。専任技術者には以下のような資格が求められます。

資格名	備考
1級建築施工管理技士	大規模な建築工事の施工管理を行うことができる資格
2級建築施工管理技士	中小規模の建築工事の施工管理を行うことができる資格

これらの資格を持つ技術者が現場にいることで、板金工事は安全かつ高品質に進められます。特に、建築施工管理技士資格を持つ技術者は、施工現場の管理や品質の確保、安全対策において重要な役割を果たします。

板金工事業の実務と資格の活かし方

板金工事業において、専任技術者の資格は実務で非常に重要です。例えば、建築施工管理技士は、板金工事の施工管理を担当し、工事が効率的かつ安全に進むように監督します。また、1級建築施工管理技士は大規模なプロジェクトを、2級建築施工管理技士は中小規模のプロジェクトを管理することができます。これらの資格は、施工現場での信頼性を高め、工事の成功に寄与します。

資格取得のメリット

板金工事業で資格を取得することには、以下のようなメリットがあります。

キャリアの向上: 高度な資格を持つことで、プロジェクトリーダーや管理職への昇進が可能になります。
信頼性の向上: 資格を持つ技術者は、クライアントや上司からの信頼を得やすくなり、仕事の受注や評価にも良い影響を与えます。
報酬の増加: 資格を取得することで、給与や報酬が増加する可能性があります。特に大規模プロジェクトに携わる場合、報酬が大きくなることが期待できます。

資格取得のステップ

資格取得にはいくつかのステップがあります。まず、対象となる資格の要件を確認し、必要な実務経験を積むことが重要です。次に、試験の準備を行い、必要な知識や技術を身につけます。試験合格後、資格を取得することで、正式に専任技術者としての業務を行うことが可能となります。

資格取得後のキャリアパス

資格取得後のキャリアパスは非常に多様です。以下にいくつかのキャリアパスの例を紹介します。

プロジェクトマネージャー
高度な資格を持つ技術者は、プロジェクトマネージャーとしてのキャリアを築くことができます。プロジェクトマネージャーは、板金工事プロジェクト全体の計画、予算管理、スケジュール管理、品質管理、安全管理などを担当し、プロジェクトの成功を目指します。特に大規模なプロジェクトでは、マネージャーの役割が重要です。
専門技術者・コンサルタント
資格を活かして、板金工事に特化した専門技術者やコンサルタントとして活動することも可能です。技術的なアドバイスを提供したり、品質管理や施工方法の最適化に関するコンサルティング業務を行ったりすることができます。専門技術者としての知識と経験を活かし、より高度な技術支援やプロジェクトの成功に貢献する役割を担います。
教育・研修の指導者
取得した資格と実務経験を活かして、次世代の技術者を育成する教育・研修分野に進むことも一つの選択肢です。企業内の研修プログラムでの指導や、専門学校や大学での講師としてのキャリアを築くことができます。教育者としての役割を通じて、業界全体の技術水準を向上させることが期待されます。
経営者・独立開業
豊富な経験と資格を持つ技術者は、独立して自らの会社を設立し、経営者としての道を歩むことも可能です。板金工事に特化した建設会社を設立し、これまでの知識と経験を最大限に活かして事業を展開することができます。特に、施工管理や品質管理に強みを持つ会社を運営することで、安定した需要が見込めます。