防水工事業で建設業許可を取得したい方へ！行政書士が解説します！

2024年8月18日

はじめに

防水工事業は、建物や構造物の屋根や外壁、地下部分などに防水層を施工する工事を行う業種です。防水工事は、雨水や地下水などの水分が建物内部に浸入するのを防ぎ、建物の耐久性を保つために非常に重要な役割を果たします。この記事では、防水工事業の概要やその工事の流れ、専任技術者に必要な資格について解説します。また、資格の取得がどのように実務に役立つのかについても触れていきます。

防水工事業の概要

防水工事業とは、建物や構造物の屋根、外壁、地下部分、バルコニー、浴室など、水の侵入を防ぐ必要がある場所に防水層を設置する工事を行う業種です。防水工事は、建物の寿命を延ばし、居住性や安全性を確保するために不可欠な工事であり、適切な施工が求められます。

防水工事の種類

防水工事には主に以下の種類があります。

アスファルト防水: 熱したアスファルトを使用して防水層を形成する工法で、耐久性が高く、主に屋上などで使用されます。
ウレタン防水: 液状のウレタン樹脂を塗布して防水膜を形成する工法で、複雑な形状の場所でも施工が容易です。バルコニーや屋上などに広く使われます。
シート防水: 防水シートを使用して防水層を形成する工法で、施工が比較的簡単で、広範囲に対応できるのが特徴です。ビルやマンションの屋上、地下構造物などに使用されます。
FRP防水: 繊維強化プラスチック（FRP）を使用して防水層を形成する工法で、耐久性や防水性に優れ、特に屋上やバルコニーで多く使用されます。

防水工事に使用される材料

防水工事で使用される主な材料には以下の種類があります。

アスファルト: 高温で溶解して使用する防水材で、屋上防水などに使用されます。
ウレタン樹脂: 液状で塗布することで防水膜を形成し、複雑な形状にも対応できます。屋上やバルコニーで使用されます。
防水シート: ゴムシートや合成樹脂シートなどがあり、広範囲にわたる防水に対応します。マンションやビルの屋上に使用されます。
FRP（繊維強化プラスチック）: 強度が高く、耐久性に優れた防水材で、特に耐久性が求められる場所に使用されます。

防水工事の流れ

防水工事は、以下の流れで進められます。

1. 現地調査と見積もり

防水工事の第一歩は現地調査です。現地調査では、施工場所の状態や構造、既存の防水層の劣化状況などを確認し、必要な防水工事の範囲を決定します。その情報を基に、使用する防水材料や工法を選定し、見積もりを作成します。

2. 工事の準備

見積もりが承認されると、次に工事の準備が行われます。施工箇所の清掃、足場の設置、防水材の調達、作業スケジュールの作成、現場の安全対策などが含まれます。特に屋上やバルコニーなどの高所での作業がある場合、厳重な安全対策が必要です。

3. 工事の実施

工事が開始されると、まず既存の防水層がある場合は、その撤去や下地処理が行われます。その後、選定された防水材料を用いて防水層が施工されます。アスファルト防水やウレタン防水、シート防水、FRP防水など、それぞれの工法に応じた施工が行われ、耐久性の高い防水層を形成します。

4. 完成検査と引き渡し

工事が完了すると、完成検査が行われます。防水層が均一に施工されているか、仕様通りに仕上がっているか、安全基準を満たしているかを確認します。必要に応じて修正が行われ、最終的にクライアントに引き渡されます。

専任技術者に必要な資格

防水工事業では、現場の管理や施工を行うために専任技術者の存在が不可欠です。専任技術者には以下のような資格が求められます。

資格名	備考
1級建築施工管理技士	大規模な建築工事の施工管理を行うことができる資格
2級建築施工管理技士	中小規模の建築工事の施工管理を行うことができる資格

これらの資格を持つ技術者が現場にいることで、防水工事は安全かつ高品質に進められます。特に、建築施工管理技士資格を持つ技術者は、施工現場の管理や品質の確保、安全対策において重要な役割を果たします。

防水工事業の実務と資格の活かし方

防水工事業において、専任技術者の資格は実務で非常に重要です。例えば、建築施工管理技士は、防水工事の施工管理を担当し、工事が効率的かつ安全に進むように監督します。また、1級建築施工管理技士は大規模なプロジェクトを、2級建築施工管理技士は中小規模のプロジェクトを管理することができます。これらの資格は、施工現場での信頼性を高め、工事の成功に寄与します。

資格取得のメリット

防水工事業で資格を取得することには、以下のようなメリットがあります。

キャリアの向上: 高度な資格を持つことで、プロジェクトリーダーや管理職への昇進が可能になります。
信頼性の向上: 資格を持つ技術者は、クライアントや上司からの信頼を得やすくなり、仕事の受注や評価にも良い影響を与えます。
報酬の増加: 資格を取得することで、給与や報酬が増加する可能性があります。特に大規模プロジェクトに携わる場合、報酬が大きくなることが期待できます。

資格取得のステップ

資格取得にはいくつかのステップがあります。まず、対象となる資格の要件を確認し、必要な実務経験を積むことが重要です。次に、試験の準備を行い、必要な知識や技術を身につけます。試験合格後、資格を取得することで、正式に専任技術者としての業務を行うことが可能となります。

資格取得後のキャリアパス

資格取得後のキャリアパスは非常に多様です。以下にいくつかのキャリアパスの例を紹介します。

プロジェクトマネージャー
高度な資格を持つ技術者は、プロジェクトマネージャーとしてのキャリアを築くことができます。プロジェクトマネージャーは、防水工事プロジェクト全体の計画、予算管理、スケジュール管理、品質管理、安全管理などを担当し、プロジェクトの成功を目指します。特に大規模なプロジェクトでは、マネージャーの役割が重要です。
専門技術者・コンサルタント
資格を活かして、防水工事に特化した専門技術者やコンサルタントとして活動することも可能です。技術的なアドバイスを提供したり、防水材料の選定や施工方法の最適化に関するコンサルティング業務を行ったりすることで、プロジェクトの成功に貢献する役割を担います。
教育・研修の指導者
取得した資格と実務経験を活かして、次世代の技術者を育成する教育・研修分野に進むことも一つの選択肢です。企業内の研修プログラムでの指導や、専門学校や大学での講師としてのキャリアを築くことができます。教育者としての役割を通じて、業界全体の技術水準を向上させることが期待されます。
経営者・独立開業
豊富な経験と資格を持つ技術者は、独立して自らの会社を設立し、経営者としての道を歩むことも可能です。防水工事に特化した建設会社を設立し、これまでの知識と経験を最大限に活かして事業を展開することができます。特に、施工管理や品質管理に強みを持つ会社を運営することで、安定した需要が見込めます。